~地歌・箏曲演奏会~
2015年3月21日
箏・三味線・尺八の音色が響きわたりました。
春まだ浅く残雪のなか、楡原の上行寺で春彼岸中日の法要が行われた。 諷誦文(ふじゆもん)・高座説教の後、
『地歌(じうた)・箏曲(そうきよく)演奏会』が行われた。
近年、一般には、あまり聞き慣れない邦楽古典であるが、江戸期より上方で親しまれていた音楽である。どこから聞いたのか、檀家外からも大勢駆けつけた。
上行寺檀家である今井幹子(いまいみきこ)さんの箏(こと)の演奏、奈良在住の宗家(そうけ)・菊聖公一(きくせいこういち)さんと今井幹子さんによる地歌(じうた)・三絃(さんげん)の合奏などの後、南砺市在住・尺八の大師範・片山瞠山(かたやまどうざん)さんが加わり、三曲合奏が行われた。
時折、地歌の謂われや歌詞などの解説トークを交えながらの優雅な演奏に、皆な静かに聞き入った。
アンコールで、尺八の瞠山さんの、「リンゴ追分」の演奏がはじまると、どこからともなく歌声の輪が広がり、仏と衆生とが一つとなり、堂内が法味で満たされた。
静かななかにも、温かく、心和む彼岸会・演奏会となった。